ゲームファームやトランプゲーム大全(2014、スモール出版、赤桐裕二著)を参考にしています。
ポーカー、コントラクトブリッジと並ぶ世界3大ゲームの一つです。アメリカで生まれました。 19世紀の終わり頃からジンポーカー(Gin Poker)の名前でプレイされていたようですが、 その後得点方法が改良されて、1939年ごろから非常にポピュラーになったそうです。
2人で遊びます。使うカードは通常のトランプ52枚です。 カードの並びはA 2 3 …… 10 J Q Kで、 KからAにはつながりません。カードの点数は以下です。
A | 2〜10 | J, Q, K |
---|---|---|
1 | 数字通り | 10 |
10枚の手札の中で、メルドを作ることが目的になります。
メルドは以下の2種類のいずれかになります。
メルドは手札の中で作るので、セットの一部になっていたカードをシークエンスにするなど、 自由に組み替えても構いませんし、メルドになっているカードを捨て札にして、 メルドを崩すことも自由に行えます。
最初のディーラーはドローで決めます。 すなわち、2人がカードを引いて、より高いランクのカードを引いたほうがディーラーとなります。 この時はKが一番強いカードで、Aが一番弱いカードとします。 次のディールからは、前回のディールで負けた人がディーラーになります。
ディーラーはカードを1枚ずつ10枚配ります。残りのカードは裏向きに伏せて、山札にします。 山札の一番上のカードは、表向きにして山札の横に置きます。 これが最初の捨て札になります。
プレイ中、捨て札をするときはこの捨て札の上にどんどん重ねてゆきます。 捨て札は重ねて捨てるので、捨て札の山が作られることになります。 捨て札の山は、一番上のカードだけを確認でき、それより下のカードを見ることは禁止されています。 一番上のカードだけが見えるように、きちんと重ねて捨てるようにしましょう。 なお、捨て札の一番上のカードはアップカード(up Card)と呼ばれます。
プレイは交互に行います。自分の番では次のプレイをします。
まず、手札を1枚加えます。 手札に加えることができるのは、山札の一番上のカードか、捨て札の一番上のカードのどちらかです。 次に、手札から1枚捨てて、捨て札の山に表向きでおきます。
基本的には、この繰り返しです。ただし、ディールの最初のプレイは特殊です。 ディールの最初では、まずディーラーでない方のプレイヤー(ノンディーラー)からプレイを開始しますが、 取ることのできるカードは捨て札の一番上のカード、つまり最初の捨て札だけです。 もし、取りたくなかったら「パス」と言います。
ノンディーラーが捨て札の一番上のカードを取ったならば、ノンディーラーは捨て札をして、 ディーラーにプレイの順番が移ります。これ以降は通常通りにプレイが進行します。
もしノンディーラーがパスをしたならば、同じようにディーラーが最初の捨て札を手札に加えるかを選択します。 手札に加えたならば、ディーラーは捨て札をして、ノンディーラーから通常通りにプレイが行われます。
ディーラーもパスをしたならば、ノンディーラーが山札の一番上のカードを手札に加えて、 通常のプレイが始まります。
プレイ中に、ノック(knock) (後で説明します)をどちらかのプレイヤーが行うと、 そこでプレイが終了して、得点計算に向けていくつか処理を行います。
手札の中で、捨て札をした後のメルドになっていないカードの点数の合計が10点以下になる場合、 捨て札を裏向きに捨てることで、ノックをすることができます。ノックするとプレイが終了します。
例えば、捨て札をする直前の手札が次の11枚になっていたとします。 (手札は10枚配られて、1枚加えてから1枚捨てるので、捨てる直前の手札は11枚あります)
ここで、 ♠A ♥A ♦A ♣A はメルド(セット)になっています。 同様に ♦5 ♦6 ♦7 ♦8 もメルド(シークエンス)になっています。 メルドになっていないカードは ♣3 ♣4 ♣K の3枚です。 この時、♣Kを捨てると、残った手札の中のカードで、メルドになっていないカードは ♣3 ♣4 の2枚になって、その合計点数が7点になります。したがってノックすることができます。
もし、捨て札をした後の手札が、すべてメルドになっている場合は、ジン(gin)と呼ばれます。 例えば、捨て札をする直前の手札が次の11枚になっていたとします。
この時は、 ♠A ♥A ♦A ♣A がセットに、 ♦5 ♦6 ♦7 と ♣2 ♣3 ♣4 はそれぞれシークエンスになっています。 ここで、♣Kを捨ててノックすると、残りの手札はすべてメルドになっているため、 ジンとなります。
山札から補充した後の手札ではなく、捨て札をした後の手札が問題となるのは、 麻雀などと異なるので気をつけて下さい。
誰かがノックをすると、そこでプレイが終了します。 誰かがノックした時点で、二人とも手札をすべて公開します。 手札を公開する時は、どのようなメルドができているか、 もしくはメルドになっていないカードはどれなのかが明確に分かるようにして置きます。
この時に、メルドになっていないカードの点数を比べるのですが、 (点数が小さい方が優秀です) この時点で、ノックをしなかった方のプレイヤーは、 ノックしたプレイヤーのメルドにつけ札(レイオフlay off)することができます。
レイオフとは、自分の手札から相手のメルドにカードを出して、メルドに付け加えることです。 例えば、相手がノックした時の手札が次のようであったとします。 (ここで「/」メルドの区切りを表して、「//」以降のカードはメルドになっていないことを表すものとします)
自分の手札はこのようであったとします。
この時、自分の手札から、♣9を相手の ♠9 ♥9 ♦9 に加えて、94枚のセットにすることができます。 また、♦2 ♦3は相手の ♦4 ♦5 ♦6 ♦7 に加えることで、シークエンスのメルドにすることができます。 結果、自分の手札で、メルドになっていないカードは ♣4 ♥4 ♣K ♠K になります。
なお、レイオフできるのは、相手のメルドになっているカードに対してだけで、 メルドになっていないカードにレイオフすることはできません。 先の例で、相手のメルドになっていない♣2 ♣3 に自分の♣4をレイオフすることはできません。
ノックした人はレイオフをすることはできません。
なお、ジンの時は、相手はレイオフをすることができません。
あるプレイヤーが山札からカードを取って、捨て札をした時、山札の残りが2枚以下ならば引き分けになります。 この場合は誰も得点せずにディールが終わります。次のディールはディーラーを変えずに行います。
レイオフまで終われば得点計算を行います。 まず、それぞれのプレイヤーはメルドになっていないカードの点数を合計します。 ノックしたプレイヤーの点数の方が合計点が小さいならば、 2人の点数の差が、そのままノックしたプレイヤーの得点になります。 ジンであればさらに25点のボーナスを得点します。 ジンの場合得る25点のボーナスは、ジンボーナス(gin bonus)と言います。
もし、ノックしたプレイヤーの合計点が、相手の合計点以上であれば、 相手が合計点の差に25を足した値を得点します。 これをアンダーカット(under cut)と言います。 ジンの場合はアンダーカットは起こりません。 (ただし、これは相手がジンをするのを忘れた時だけです)
いずれにせよ、メルドにならなかったカードの合計点が大きかった方の人は、 得点が0になります。
レイオフであげた例で、ノックをした人のメルドになっていないカードは ♣2 ♣3 ♥3、 その相手のメルドになっていないカードは、 ♣4 ♥4 ♣K ♠K になります。 メルドになっていないカードの合計点は、ノックをした人は8点、 その相手は28点なので、ノックをした人が20点を得点します。
何ディールか繰り返して、どちらかの累計点が100点以上になると、 そのプレイヤーがゲームに勝って、ゲームが終わります。
ゲームが終わると、各プレイヤーは今までの累計点に次のボーナス点を加えます。
最終的に、ボーナスを加えた最終的な得点の差が、勝者の勝ち分になります。